2011年 07月 22日
読まれなかった12通のラブレター |
ササキは文章を書くのが極端に苦手だった。
それでも何とかあの娘にこの想いを伝えたい。
メールでは味気ないし
直接打ち明ける勇気など持ち合わせてはいない。
第一、話しかけられないのだからメルアドも知らない。
そこで、苦手な手紙を一生懸命書いた。
何枚ものできそこないの恋文が宙を飛んだ。
何枚もの想いの詰まった白いつぼみが咲かないま床に落ちた。
それでも手元には何通かの完成されたラブレターが残った。
もちろん手渡しなどという恥ずかしいことはできないし、
頼んで渡してもらう友人もいない。
悶々としながらササキは更に完璧な恋文を書こうと頑張った。
12通目のラブレターを書き終えた時、秋になっていた。
黄色く染まった枯れ葉が窓から入ってくる季節。
ササキはイチョウの枯れ葉を拾いながら気がついた。
「あっ、彼女の住所、知らない…」
西日の空気人形
それでも何とかあの娘にこの想いを伝えたい。
メールでは味気ないし
直接打ち明ける勇気など持ち合わせてはいない。
第一、話しかけられないのだからメルアドも知らない。
そこで、苦手な手紙を一生懸命書いた。
何枚ものできそこないの恋文が宙を飛んだ。
何枚もの想いの詰まった白いつぼみが咲かないま床に落ちた。
それでも手元には何通かの完成されたラブレターが残った。
もちろん手渡しなどという恥ずかしいことはできないし、
頼んで渡してもらう友人もいない。
悶々としながらササキは更に完璧な恋文を書こうと頑張った。
12通目のラブレターを書き終えた時、秋になっていた。
黄色く染まった枯れ葉が窓から入ってくる季節。
ササキはイチョウの枯れ葉を拾いながら気がついた。
「あっ、彼女の住所、知らない…」
西日の空気人形
by 460ss
| 2011-07-22 16:49