2007年 12月 23日
ピーターとマリアの物語 |
冬の森で遊んでいたピーターとマリアはいつの間にか森の迷子になってしまいました。
だんだん暗くなる森の中で2人は出口を求めてやみくもに歩きます。
後ろを付いて来ているはずのマリアがいません。「助けて!」マリアの声のする方に急ぐとそこには巨大なきのこが生えていて、すっかりマリアを飲み込み食べてしまったところでした。びっくりして尻もちをついたピーターは、そのままそこに静かに口を開けていた真っ暗な穴の中に落ちてしまいました。
それから13日が経ちました。森から戻らぬ2人を、彼らのほんとうの父母は捜しまわりましたが、靴ひとつ、うさぎのうわさ話ひとつ見つかりませんでした。森の事なら何でも知っているふくろうじいさんに聞いても寝たふりをするばかりです。
そんな13日目に森をひとつの光りと3つの天使、そして「大きな眼に見えない力」が通りかかりました。すると巨大なきのこの中からあくびをしてマリアが出て来ました。その近くのいまいましい暗い穴から、はじめてこの世に出て来た赤ん坊のように無防備なピーターが姿を現しました。2人は短い間「冬眠」をしていたかのように、13日前のままのお腹の空きぐあいでした。そしてひとつの光りに導かれ、「眼に見えない大きな力」が背中を後押ししてくれて、いつもの、ほんとうの父母の待つ暖かい家へもどることができました。
ピーターとマリアは13日の間にいくつもいくつも素敵で不思議な夢を見たようです。
2人はそれを思い出して書き留めました。そのお話は「きのこと暖かい暗やみの十三夜」として中世ドイツで「きのこ出版」から発行され、何人かの森やきのこ愛好家から支持されたのですが、魔女狩りと共になぜか全て焼払われ、今ではその本が一冊も残っていないのだそうです。
眼に見えない大きな力を持った方の従者らがいくつかの記憶を頼りに語り継いでいるといううわさも聞くのですが、何せドイツ語ですし折角の子供達の純粋な夢物語は大人達のけがれた口によってデカメロンのようにかなり歪曲されている事が多く、あてになりません。
..そんな「妄想」と「1年の感謝」をミックスした頭でイヴイヴの夜は、やはりカーペンターズとシューマン、ショパン、そしてジンジャーの蝋燭でハイになる。
だんだん暗くなる森の中で2人は出口を求めてやみくもに歩きます。
後ろを付いて来ているはずのマリアがいません。「助けて!」マリアの声のする方に急ぐとそこには巨大なきのこが生えていて、すっかりマリアを飲み込み食べてしまったところでした。びっくりして尻もちをついたピーターは、そのままそこに静かに口を開けていた真っ暗な穴の中に落ちてしまいました。
それから13日が経ちました。森から戻らぬ2人を、彼らのほんとうの父母は捜しまわりましたが、靴ひとつ、うさぎのうわさ話ひとつ見つかりませんでした。森の事なら何でも知っているふくろうじいさんに聞いても寝たふりをするばかりです。
そんな13日目に森をひとつの光りと3つの天使、そして「大きな眼に見えない力」が通りかかりました。すると巨大なきのこの中からあくびをしてマリアが出て来ました。その近くのいまいましい暗い穴から、はじめてこの世に出て来た赤ん坊のように無防備なピーターが姿を現しました。2人は短い間「冬眠」をしていたかのように、13日前のままのお腹の空きぐあいでした。そしてひとつの光りに導かれ、「眼に見えない大きな力」が背中を後押ししてくれて、いつもの、ほんとうの父母の待つ暖かい家へもどることができました。
ピーターとマリアは13日の間にいくつもいくつも素敵で不思議な夢を見たようです。
2人はそれを思い出して書き留めました。そのお話は「きのこと暖かい暗やみの十三夜」として中世ドイツで「きのこ出版」から発行され、何人かの森やきのこ愛好家から支持されたのですが、魔女狩りと共になぜか全て焼払われ、今ではその本が一冊も残っていないのだそうです。
眼に見えない大きな力を持った方の従者らがいくつかの記憶を頼りに語り継いでいるといううわさも聞くのですが、何せドイツ語ですし折角の子供達の純粋な夢物語は大人達のけがれた口によってデカメロンのようにかなり歪曲されている事が多く、あてになりません。
..そんな「妄想」と「1年の感謝」をミックスした頭でイヴイヴの夜は、やはりカーペンターズとシューマン、ショパン、そしてジンジャーの蝋燭でハイになる。
by 460ss
| 2007-12-23 23:53