中世の生活 |
なぜか中世の人々の生活が気になり、そんな本に呼ばれるのです。
前世はヨーロッパの森で「金の斧」欲しさの木こりか、お城や村の回りをうろつく道化師か
何かだったのではないかと思います。
大宇宙と小宇宙の中間にいるいいかげんなやつですね。
中世の人にとって、この世は未知の力に満ちていて
神々や精霊や魔物、怪物の棲んでいる混沌の世界でした。
夜、耳を澄ませば、強い風は悪魔の叫びに聞こえ
森に入れば数々の得体の知れない生き物に遭遇する。
たとえば「火」は聖なるものであると共に、
「山火事」など人の手が加えられずに発生することがあるので
彼らにとっては大宇宙の神秘的な現象として恐れられていました。
病気もなぜなるのかわからず、恐怖のひとつでした。
そんな、わからない事だらけの世界で生まれた、色々な童話は
実は全くのおとぎ話ではなく、実体験から生まれたものも多い
のだということも解りました。
寿命も30歳くらいですから、その30年間、病気や自然の驚異や
あらゆる恐怖におびえながら生きて行かなくてはいけません。
現代もそれ以上につまらない不安や諸問題を抱えながら、
毎日なんだか慌ただしく長い人生を歩んで(走って?)いますが
現代では「時間」は全世界共通平等で1日24時間となっています。
しかし中世の時間の流れは場所や個人によって違っていました。
時計がないのですから、それはそうですよね。
日が出ている間が仕事の時間、髪の毛や爪が伸びるのを目安にしたり
日のあるうちに歩いて行ける範囲を1日としたり、とてもおおらかな時間
が流れています。
中世の時間の流れはとてもゆったりしていて、30年と言えども、
緊張感の中にも、とても充実したスパンを生きていたのだと思います。
そんな中世の「森」を散策、「村」を散歩、「城」に侵入してみたいのです。
味付けのない獣と玉ねぎのスープ、固くて酸っぱそうなパン、
出来の悪いワインを飲んでみたいのです。
中世の旅はつづきます。
